肩こりで「腕がだるい」そして「上がらない」。原因を知って対策しよう
この記事は「肩こりのせいで腕がだるい」「肩こりで腕が上がらないのはなぜ?」という方向けに「整体師」として書きました。「原因」を知れば、「対策」はできます。しっかりと自分の悩みをココで改善しましょう。
この記事は「疾患」や「ケガ」ではなく、「慢性疲労」に対するケアについて書いています。
そもそも「肩こり」とは?
日常会話の中でも「肩が凝って辛いんだよね」との会話がありますけど、この「肩こり」とは、どのような状態なのかご存じでしょうか?まずはここから見ていきましょう。
筋肉が縮こまって柔軟性を失った状態
「肩こり」という状態は「筋肉が縮こまり、柔軟性と血流を失ったことによる、筋肉の拘縮状態」を言います。
この言葉だけだと何を言っているのか分からないと思いますので、もう少し噛み砕いて以下に説明します。
筋肉は「収縮と弛緩」を繰り返して動きます。これにより「体の動き」ができます。例えば「肘を曲げる・伸ばす」など。
そして、この「収縮と弛緩」には「必要な可動域」が必要です。肘で言えば「ここまで伸ばせる、ここまで曲げられる」という具合で。これが「柔軟性」であり、「可動域」と呼ばれるものです。
そして筋肉が「収縮と弛緩」を繰り返すことにより、筋肉がポンプとなるので血液が流れます。この「収縮と弛緩」の力が強ければ強いほど血液の流れは増加します。
肘で言えば「重いものを持って、肘を曲げ・伸ばしする」という具合で。血流を良くするために「運動が良い」と言われる理由もこのような事からです。
しかし私たちは、日常生活の中で「何らかの動作」のせいで筋肉を縮こませてしまう行動をとっています。
そして、この「何らかの動作」のせいで「筋肉が縮こまった状態が慢性化」してしまうと、筋肉の「収縮・弛緩」が行えない状態になってしまいます。
これが「肩こり」を作る原因です。
「何らかの動作」を例えるなら、「座りっぱなし」「立ちっぱなし」「荷物を持ったまま」「パソコンを見たまま」など日頃からあるたくさんの動作です。
これらの「何らかの動作」が一時間以上続くなら「肩こり」の原因を作っていると思って良いでしょう。
肩こりで「腕がだるい」のはなぜ?
では、どうして「肩こり」から「腕のだるさ」を感じてしまうのでしょうか?理由と体の構造を確認しましょう。
肩から腕に血液が流れる
この「肩こり」からの「腕がだるい」という理由は、血管が「肩から腕に繋がっている」からです。
簡略図ですが、このように肩から腕にかけて血管は繋がります。ですので、「肩こり」による血液の流れが制限されてしまえば、腕に対しての血液の流れも制限されてしまいます。
「肩の筋肉」と「腕の筋肉」は神経が繋がっている
そして「肩の筋肉の神経」と「腕の筋肉の神経」も血管と同様に繋がっています。この繋がりがあるからこそ、「体の連動」ができていると言えます。
そして「腕がだるい」と感じるこの症状。これは「血液の流れの悪さ」からくる「むくみ」である可能性が高いです。
「むくみ」とは「老廃物」や「不必要な水分」がその部分に蓄積してしまい、体の機能低下をつくるものです。
今回の「腕のだるさ」は、このように「血管」と「神経」の繋がりによって、これらの場所に「老廃物」や「不必要な水分」が蓄積してしまい、機能低下を起こしている症状と言えるでしょう。
以上のように、「血液」や「神経」の滞りが起きている方は全身の機能が衰えているとも言えます。このような方は「自律神経の乱れ」も起きやすい方です。そして、このように「自律神経の乱れ」が起きている方は「朝起きた時の体のだるさ」もあるでしょう。
もしこの「朝起きた時のだるさ」も感じている方でしたらこちらも見てください。「腕のだるさ」・「腕が上がらない」という内容に繋がる話を書いています。
肩こりで「腕が上がらない」のはなぜ?
「肩こりと腕のだるさの関係」は分かりましたが、どうして「腕が上がらない」まで症状が出てしまうのでしょうか?
肩甲骨の動きが腕に関係している
これは肩甲骨の動きが関係していると言えます。腕が動くには「肩甲骨」・「鎖骨」・「上腕骨」の連動がないとできません。(少し補足内容がありますが、難しい話ので割愛します)
ですので、これら3つのうち、一つでも柔軟性の低下している箇所があれば「腕は動きません」。
そして「肩こり」に関連する筋肉は「肩甲骨」に付着しています。
ですので、「肩こり」になればなるほど「肩甲骨」の動きを制限してしまうので、他「鎖骨」「上腕骨」もスムーズに動かないため、「腕が上がらない」とい状況が出来てしまいます。
どのように「肩こり」と「腕」を改善させるのか?
今日のメインはココですよね。では、どのようにしたら「肩こり」と「腕」は改善できるのでしょうか?
上半身の姿勢を改善させる
まずは、「上半身の姿勢」を見直してみましょう。皆さん「猫背」になっていませんか?
この「猫背を改善させるか・させないか」だけでも「腕のだるさ」や「腕が上がらない」は改善できます。
試しに「猫背のままで、腕を上げる」ことと「姿勢を正して、腕を上げる」を行ってみてください。
実際に行ってみると分かりますが、「姿勢を正して、腕を上げる」という行動をとってみると、思っている以上に腕が上がるかと思います。
これは姿勢を正すことで、全身の筋肉の連動が行いやすくなったので、可動域が上がったということです。
以下に紹介するケアを行って頂くと、「無意識のままで姿勢を正せる」ようになるので一つずつ見て頂き、実践してくださいね。
胸周りのストレッチ
まずは「胸周りのストレッチ」を行いましょう。胸周りの筋肉をストレッチすることで「鎖骨」と「上腕骨」のゆるみを出すことができます。
具体的には次のように行ってください。
- 両腕を横に挙げる
- 挙げる高さは、肘の高さが肩の高さよりも上にする。
- 肘は90°くらいに軽く曲げる
- その肘の高さを維持しながら、「胸だけ」を前に押し出す。
- これを10秒維持し、5回行う
このストレッチは「物も」「場所も」選ばずにできます。このストレッチを行うことで胸周りの筋肉を十分にアプローチできます。
前屈のストレッチ
次に前屈のストレッチです。これは良く行われる柔軟の指標でもありますよね。もう一度おさらいの意味でやり方を書きます。
- つま先を合わせたまま、「立つ」もしくは「長座」する
- その姿勢のまま、ゆっくり体を前に倒す
- 膝は伸ばしたままを維持する
- これを10秒維持し、5回行う
これを行うと、下半身の「裏側の筋肉」が十分に伸ばされます。とくに「モモの裏」の筋肉は相当効くでしょう。このストレッチは主に下半身ですが、全身の筋肉のなかでも「固まりやすい箇所」なので、この箇所の柔軟性が上がるだけでも肩まわりの筋肉の柔軟性は改善します。
肩甲骨回し
続いて肩甲骨回しです。肩甲骨の動きは「肩」と「腕」が連携するために重要になります。以下のように行ってください。
- 楽な状態で立つ
- 肘を曲げ、手の指先を肩の付け根に置く
- 肘の位置を肩の位置よりも上に保つ
- その肘の位置を基準に腕をまわす
- 前回し後ろ回しを行いそれぞれ20回ずつ行う
これを行うことで「肩甲骨の柔軟性」は大いにUPします。とくに「肘の位置を高く保つ」ことで「肩甲骨の可動域は大きくなる」ので、この「肘の位置」は大切なポイントです。
「水分」・「睡眠」の改善
そして「水分」・「睡眠」の改善もしっかりと行いましょう。これは「肩こり」だからというより「健康を保つ」ための基本でもあります。
とくに気を付けて頂きたいのが「水分の中身」。これは「ノンカフェイン」を飲みましょう。この「水分」・「睡眠」に関してはこちらの記事に詳しく記載しています。